飼い主様の言葉が獣医師の「心」を救うのだということを体感しました。
北村英知さん
あなたの仕事内容を教えてください。
入院動物の治療から外来診察まで仕事内容は多岐に渡ります。 江東総合病院は夜間診察を行っている病院のため、入院患者が多く集まります。 また重篤な症例も多いことから非常に難しい局面に迫られる機会が多いですが、その分学べることが多いです。 また私個人としては「献血プロジェクト」に所属しており、 普段の業務に加えて、献血・輸血の実施、献血システム作成・管理、啓蒙活動などにも励んでいます。
入社を決めたきっかけは?
獣医師としてのキャリアを積むにあたって以下の4項目を重視していました。 ・症例数が多く様々な経験を積むことが出来ること ・夜間診療を行っており、救急症例の経験を積むことが出来ること ・専門性を持った獣医師が多く在籍し、様々な意見を聞くことが出来ること ・退勤時間が早く、業務後その日のうちに、当日経験した症例の勉強をする時間が確保出来ること 苅谷動物病院はそのすべてを満たしていると感じたため入社を決めました。
入社前に不安はありましたか?
実際に入社してみてどうでしたか?
犬猫の飼育経験が無く、学生時代にも臨床系の研究室でなかったため、就職当初は動物との接し方において、非常に大きな不安を抱えておりました。 初めのうちは不慣れな事が多くたくさんの失敗をしましたが、一日に何十頭もの犬猫と触れ合うことが出来ますし、サポート体制がしっかりしているので自然と上手く接することが出来るようになりました。
入社後一番苦労した事はなんですか?
先輩スタッフと私との間に、意識や知識に大きなギャップがありました。 そのギャップを埋めるまでの間は、心身ともに苦労しました。 当院は重症な症例が多いため、スタッフは全員、常に高い意識を持っており、日々研鑽に励んでいます。 そのようなスタッフを目の当たりにし、「いつまでも学生気分ではいられない」と感じ、身の引き締まる様な思いでした。 日々の業務や勉強は非常に大変なものでしたが、頑張れば頑張っただけ返ってくる物も多く様々な技術・知識を身に着けることが出来る環境が整っていると信じています。
苅谷動物病院に入社して成長したと
感じられるところはどこですか?
数多くの症例を経験できるため成長した部分はたくさんありますが、 夜間救急診療を通じて、緊急性の高い症例の迅速な判断力が向上したと思います。 また江東総合病院には循環器認定医が在籍しており、私自身も認定資格取得に向けて循環器疾患の勉強に励んでいます。 臨床以外では、当院ではチーム医療を実践しているため、 獣医師や看護師間でのコミュニケーション力や、 後輩を育成するための指導力なども身に着ける必要があり、 そちらに関しても、日々勉強し成長していると感じています。
印象に残っているエピソードを教えてください。
まだ一年目の駆け出し獣医師だったころ、夜間勤務で助けてあげられなかった重症なわんちゃんがいました。 ご家族と一緒に寝ずの番を過ごし手は尽くしたものの「何かもっとしてあげられることがあったのではないか」と、自分の経験不足を恨み、非常に強い後悔の日々を送っていました。 しかし数か月後、その飼い主様が新しいわんちゃんを飼われ、私に診察してほしいと言って受診されました。その際に「あの日の晩は先生にずっと良くしてもらえて感謝しています。なので新しい子は先生に診てほしいです。」と言って頂き、強く感動しました。動物の命を救って上げることは出来ませんでしたが、獣医師の行動が飼い主様の「心」を救い、 また、飼い主様の「お言葉」が獣医師の「心」を救うのだということを体感しました。