診療・ケア 行動診療科
Behavioral Medicine行動診療科
飼っている犬・猫にこんな症状はありませんか?
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症状
- 急に咬んでくる
- 物音や人、動物に対して怖がる
- 吠え続ける・鳴き続ける
- 自分の一部をなめ続ける
- 誤食を繰り返す
- 排泄を失敗する
- 昼夜逆転、夜鳴き
- 子犬・子猫を迎え入れたがしつけがうまくいかない
- お留守番ができない
- 病院に行くと攻撃的になってしまう
考えられる疾患
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急に咬んでくる
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こちらを主訴として来院される方は多いですが、その原因は多岐に及びます。例えば、恐怖や不安感から自分の身を守るために咬みついてしまうケース(恐怖性/防御性攻撃行動)や、咬みつきたい対象に咬みつけない状況においてたまたま近くにいたご家族に咬みついてしまうケース(転嫁性攻撃行動)、あるいは身体の痛みを引き金とするケース(疼痛性攻撃行動)などがあります。
「突然咬んでくる」ことはご家族が日常生活を送るうえでとてもご負担になっていることが多いため、環境の整備などを用いて緊急的な安全対策をとりながら、学習理論をベースとしたトレーニング、および必要に応じて薬物療法を用いることで、設定した治療目標に向けての長期的な治療を実施していきます。
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病院に行くと攻撃的になってしまう
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病院に行くと「攻撃的」になることはありませんか?例えば、診察や簡単な処置(爪切りなど)にもかかわらず暴れて病院スタッフに押さえつけられてしまう、キャリーから出すだけで叫んでしまう、触られようとすると病院のスタッフに咬みつこうとしてしまうなどです。このような行動は恐怖の感情から自分自身を守ろうとして起こしている場合や、そのような行動をとることで嫌なことから逃げられた、という過去の学習から生じている場合があります。
大好きなおやつを食べながらストレスの少ない姿勢で処置をしたり、病院に行く前にお薬を服用していただくことで、恐怖感を軽減させ本人の負担を減らすことができます。また、定期的な通院練習で病院に慣れていくことも可能です。それぞれの性格や健康状態を踏まえ、負担が少なく有効な対策を検討します。
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夜そわそわして寝付けなくなってしまった/夜に吠え続ける
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高齢になりこのような行動にお悩みを持つご家庭も多いです。原因は、認知症(高齢性認知機能不全)である場合もありますが、自力で移動できないといった身体的な疾患のためにご家族に助けを求めているケースもあります。また、ご家庭の生活環境から昼夜逆転を起こしてしまったケースや脳腫瘍などの脳疾患を原因とするケースもあります。
原因が多岐にわたるため、まずはカウンセリングにより原因を特定することが肝要です。原因に基づき最適な治療を提案させていただきます。また、認知症の場合は、カウンセリング時に認知機能を点数化し認知症の程度を評価できます。認知症は進行性の疾患であり、治すことはできませんが、薬物療法や生活環境の調整により症状の緩和、進行の抑制が期待できます。
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自分の一部を舐め続ける、咬む
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毛が抜けて禿げてしまうほど自分を舐め続けたり、尾を追いかけ続けたり、あるいはその結果として自分の尾を咬んで傷を負ってしまうケースなどがあります。この行動を引き起こしてしまう原因も多岐にわたり、身体的な痛みから生じているケースや、自分の気持ちを発散できずに尾を追うという行動に転換させている(転位行動)ケースなどがあります。一つの行動を取り始めるとやめることができなくなる「常同障害」という病気になっている場合もあります。
自分自身を傷つけてしまう行為のため、エリザベスカラーや洋服の着用などで一時的に保護を行いながら、その行動を引き起こす原因を特定し、生活環境の調整や行動学的トレーニングを用いて改善に努めます。場合により薬物療法も実施します。
治療の流れ
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➀ ご来院・問診・身体検査
行動診療専門の問診票をご案内します。事前にご記入いただき持参ください。また問題となっている行動を動画で撮影・持参していただけると適切な診断の助けになります。可能であれば相談対象の動物とともにご来院ください。行動診療科を初めて受診される場合には、問題となっている行動が身体的な疾患から生じているか否かを区別するため、まずは総合診療医の方で身体検査を行い、必要があれば血液検査やレントゲン検査といった検査を実施します。
行動診療科の問診票
以下のリンクからダウンロードしてご記入して持参ください
➁ 行動カウンセリング
行動診療の担当医が問診票をもとに、問題となっている行動の詳細や生活環境について詳しくお伺いし、その行動の原因を探ります。その原因によって、またそれぞれの動物の性格や家庭環境に合わせ、治療の目標を設定し、それに対しての治療(生活環境の調整や行動学的トレーニング、必要に応じて薬物療法)をご提示します。必要に応じて他の診療科や信頼のおけるドックトレーナーをご紹介する場合もあります。初回の行動カウンセリングは1-2時間かかるためお時間に余裕を持ってお越しください。
➂ カウンセリング後のフォローアップ
ご自宅で生活環境の調整や行動学的トレーニングを実践していただき、問題となっている行動の変化を記録していただくことで治療効果を確認していきます。それぞれのケースに応じて、1~2か月おきにカウンセリングを行います。必要に応じてメールなどで経過をお伺いする場合もあります。治療の経過により、治療方針を調整していきます。
行動診療科からご案内
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行動診療科ではご家族のお悩みの原因となる行動すべてが診療の対象となります。子犬の夜鳴きや甘噛みなどの問題から、急に咬んでくる、自分のことを執拗に舐め続けてしまう、高齢になってきて行動が変わってきてしまったというお悩みまで、なんでもご相談ください。病院に連れて行くと攻撃的になってしまい連れていけない、という場合にはまずお電話にてお気軽にご相談いただければと思います。
問題行動も、内科や外科の病気と同じように予防と早期治療が有効です。また、飼い方のせいでこうなってしまったと悩まれる方もいらっしゃいますが、問題となる行動は遺伝的な要因や生育環境、学習、健康状態、生活環境などの複数の因子が複雑に絡み合って生じていることが多いです。こんなことで相談してもよいのかとお悩みでも、ぜひお早めにご相談ください。
ご家族と問題行動を起こしている動物の双方が、最もストレスなく楽しんで日常を送れることを目標に行動診療をおこなわせていただきます。